山代酒商組合
山代温泉と、その近郊も含むエリアの酒販店15店が加盟する組合。
2006年より地酒復興を謳い、「純米酒やましろ」を立ち上げた。通常同じエリアの小売りの酒屋の組合で、共同で地酒を立ち上げるのは全国でも異例のことである。
かつて山代温泉にあった酒蔵は、途絶えて長い年月が経っていた。町の酒屋としては、地元産の地酒はいわば念願のアイテムだった。
地酒といえば、なんと言っても地元産の酒米が必要。
酒商組合員の一員でもある奧野さんの所有する田圃で、それまで造られていなかった酒米(五百万石)の栽培をお願いして、醸造は加賀市内の「常きげん」という銘柄を醸造する鹿野酒造に委託することでスタートした。
当初は、組合員のみの参加だった五百万石の田植えや稲刈りも、地酒ファンの裾野を広げる意味を込めて、一般の親子参加のイベントとした。
参加者には、年末に発売する新酒「しぼりたて生酒」を一家族に1本進呈する特典を設け、子供には、地酒が地元の自然の恵みから出来上がっていることを身をもって知って貰う機会になるように努めてきた。毎年このイベントは好評を得て、現在も継続中である。
また、山代温泉の様々なイベントに出店販売したり、鏡開きなど、町の盛り上げにも一役買ってきた。
そんな地道な活動も功を奏してか、会の宴席や、贈答などといった様々な場面で、徐々に町中で、「純米酒やましろ」は欠かせない地酒として定着してきたと思われる。